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2017年04月22日

私とサヤ取り番外編・「株式サヤ取りの実践」栗山浩(著)を読み直してみた・・なお話



一度読んだものの、ほとんど読み返す事が無かった
「株式サヤ取りの実践」を十数年ぶりに(^^;)読み返したので、
(講座の方も持ってますが、実践の方が中上級者向けなので)
少し感想を書いてみます。

「高相関銘柄間でのサヤ取り」と「栗山式サヤ取り」の比較図(イメージ)
20170422saya01.gif





まずは栗山式(?)のサヤ取りについて・・・

1.「うねり」がある「中低位銘柄」でのサヤ取り
2.「同業種」「銘柄コードの近いもの」(高相関)は避ける
3.必ず1000株(同株数)で仕掛ける
4.原則として「寄り付き」に「成り行き」で
5.原則として「リズム取り」で
6.「手数料抜け」から「手仕舞い」を考える
7.増し玉は基本的に(逆ザヤ@股裂きからサヤ平均値を有利にする)「ナンピン」で、
8.(利が乗った順ザヤからの)「乗せ(ナンピン)」は行わない
9.基本的に損切はしない
10.水準値が通常のうごきの場合は「拡大」「縮小」どちらも仕掛け可
11.水準値が下げトレンドの場合は「縮小」のみ仕掛け可で「拡大」は避ける
12.水準値が上げトレンドの場合は「拡大」のみ仕掛け可で「縮小」は避ける


特徴に関してはこんな感じですが、上から順にコメントしていきます。


1.ですが、周期性を感じ、且つ、適度な上げ下げのある中低位株でやりましょう

2.は世間一般のサヤ取り系の個人投資家ではよく行われているであろう
高相関ペアを避けるように書かれています。

下図は「高相関サヤ取り」と「栗山式サヤ取り」を比較(イメージ)したものですが・・・
20170422saya01.gif

「高相関(0.985)サヤ取り」の方はサヤが0と2の間を行き来していて、
基本的に
 サヤ最小の0で「縮小手仕舞い・拡大仕掛け」
 サヤ最大の2で「拡大手仕舞い・縮小仕掛け」
となりますが、
「栗山式 サヤ取り」の方は相関が(-0.033)とほぼ無相関で、
近似曲線が y = 1.2x - 8.6 と「上げトレンド(サヤは拡大方法)」にあると見られることから
拡大のみの仕掛けになります。

サヤの拡大縮小幅(ボラティリティ)も大きく、300万円の口座残高に対し、
3.にある「必ず1000株で仕掛ける」のも当然かなと思います。

4.は特に何も書くことはなし

5.の原則として「リズム取り」ですが、ボラティリティが大きめだし、
反転すると利の縮小も速いから(?)一波で区切りましょうと。


実際、本書に載っている栗山氏の実売買データを見ても・・・

 10日以内 28.3%
 20日以内 73.9%
 30日以内 77.8%
 1ヶ月以上 22.2%

こんな感じで、1ヶ月以内に8割弱が手仕舞いと、
( 6.の「手数料抜け」から「手仕舞い」を考えるに繋り)
栗山氏は「リズム取り」に徹していたのがよくわかります。

382692(^^;)のサヤ取り売買データ詳細分析の話はこちらで・・・
第9回・リスク管理システムの完成(02年11月)より 382692のサヤ取り 勝敗データ 
2002年03月〜2002年10月 122勝 45敗 73.1%
2003年07月〜2004年02月  95勝 53敗 64.2%
2004年11月〜2005年06月  69勝 22敗 75.8%
※8ヶ月集計、8ヶ月空けてまた8ヶ月集計で3期間
http://382692.seesaa.net/article/4453777.html



さて、問題(^^;)は7.8.9。

  7.増し玉は基本的に(逆ザヤ@股裂きからサヤ平均値を有利にする)「ナンピン」で、
・・・ですが、解らなくはないです。

本書の書かれた二十数年前には売買コストが高く、気軽にロスカットは出来なかったでしょうし、
コストが通常の二倍になるサヤ取りだと、ロスカットを食らうのは非常にダメージが大きく、
積極的な「計画ナンピン」でサヤ平均値を有利に、トントンまで持って引き分けに持ち込みましょう
と。

(資金300万に対し(資金的余裕を持たせる)1000株売買の徹底は「計画ナンピンを想定」している為)

お次は
  8.(利が乗った順ザヤからの)「乗せ(ナンピン)」は行わない
ですが、これも昔は売買コストが高かったせいではないかなと。

そして
  9.基本的に損切はしない
これも(当時の)「売買コストの高さ」がありそうですが、
「銘柄選択に誤りが無ければ、サヤの拡大が続くわけでは無い(縮小の時が来る)」
という事なのだと思います。

1番最初に・・・

 「サヤ取りとは相場変動の収斂性を利用し、リスクがゼロまたはゼロに近く、両建ての必然性を持つ売買である。」
 「したがって、株価収益率(PER)などから見て、割高な銘柄を売ると共に割安な銘柄を買うというのはサヤ取りではない」
 「価格差だけが問題なのである」

・・・と書かれているので、
この大原則があっての「(基本的に)損切はしない」なのですね。


そして10.11.12の・・・
 10.水準値が通常のうごきの場合は「拡大」「縮小」どちらも仕掛け可
 11.水準値が下げトレンドの場合は「縮小」のみ仕掛け可で「拡大」は避ける
 12.水準値が上げトレンドの場合は「拡大」のみ仕掛け可で「縮小」は避ける

ですが、下図の左が「上げトレンド」右が「下げトレンド」のケースです。
(サヤの近似曲線の傾きがプラスで上げトレンド、マイナスで下げトレンドと仮定)
20170422saya02.gif

11.の 上げトレンド時には拡大のみ の仕掛け
12.の 下げトレンド時には縮小のみ の仕掛け
となります。

10.の 水準値が通常(BOX)のうごきの場合は「拡大」「縮小」どちらも仕掛け可 ですが、
これは、上で取り上げた「高相関 サヤ取り」のサヤの動き(0と2の間で繰り返し)になるので、
拡大縮小どちらもOKとなります。


最後に「栗山式サヤ取りの問題点」についてですが・・・

 13.「価格差だけが問題なのである」と言いつつ、(股裂きで)分割を入れる場合は個別の値動きを重視している
   (「サヤ(リズム)取り」から「2銘柄でのうねり取り」に変化、技術難易度が一気に上がる)

 14.かなり株価の離れた銘柄間で仕掛けた場合、市場リスク(β値)を排除できない(ロング・ショートの意味があまりない)

 15.かなり株価の離れた銘柄間で仕掛けた場合、(株数を減らした)高株価銘柄の片張り売買と変わらない

に集約されると思っています。

十数年前に初めて読んだ時も、このあたりの問題についての対処法が全く書かれて(触れられて)おらず
個人的に「個人でできる裁定取引入門」彦谷直児(著)は何度も読み返すぐらいに高評価している一方で、
こちら(栗山本)は(株式ロング・ショート売買の一つである)サヤ取りという手法を知る為だけの入門書
という(ほとんど読み返す事は無かった)低評価になりました。

私とサヤ取り番外編・「個人でできる裁定取引入門」彦谷直児(著)を読み直してみた・・なお話
http://382692.seesaa.net/article/445864124.html


例えば本書で分割売買の三分割について書かれている部分(P100-)で、
大平洋金属と小松リフトのサヤ取りが取り上げられているのですが・・・

 大平洋金属 小松リフト サヤ
 370円  770円  −400円

・・・と株価差が2.08倍(^^;)もあるものを取り上げていて、最拡大時には

 大平洋金属 小松リフト サヤ
 292円  760円  −468円

・・・と株価差が2.60倍にもなっているのに同じ1000株でやるという・・。

(1000株なので)解ると思いますが、
(株価の低い)大平洋金属 が買いで (株価の高い)小松リフト が売りです。

売買譜ですが
 大平洋金属 小松リフト サヤ
 320円  660円  −340円 仕掛け(1分割目)
 275円  781円  −506円 仕掛け(2分割目)
 273円  765円  −492円 仕掛け(3分割目)

サヤ値が終値ベースの最大値である−468円よりも大きいのは、買いと売りの日が違う為。
要するに 大平洋金属 と 小松リフト のうねり取りを同時にやっている感じなんです。

買いの 大平洋金属 は底値圏で買って行き、売りの 小松リフト は天井圏で高値を狙って売ると。
場帳を見ると、記載部分での高値安値が・・・

 大平洋金属 高値395円、安値271円 変動幅124円
 小松リフト 高値805円、安値617円 変動幅188円(1.52倍)

・・・となっていて、2.3分割目での買いは大平洋金属のほぼ底値で買っていて、
高値-安値範囲188円幅の、2分割目は高値から24円安で、3分割目も高値から40円安と、
それぞれ高値圏で売っています。

どうしてここまで見事に安値で買い、高値で売れたのか

栗山氏によると(P107)大平洋金属の日足の経過&周期から275円を目先の底と判断し翌日275円で2分割目の買い、
3分割目は280円を60日周期とみて273円で以下略・・・これ「うねり取り」じゃん・・。(^_^;


ここで13.の・・・

 13.「価格差だけが問題なのである」と言いつつ、(股裂きで)分割を入れる場合は個別の値動きを重視している
   (比較的に平易な「栗山式サヤ取り」から「2銘柄でのうねり取り」に変化し、技術難易度が一気に上がる)

の問題点が浮き彫りになります。

本書は中上級者向けなので、
うねり取りが出来る事を前提に書かれているようで、問題無い
といえばそうなんですが、
分割を入れる場合は、個別の「うねり取り的対処をしよう」と暗に書かれてるのはどうにも・・。^^;



そして14.15の・・・

 14.かなり株価の離れた銘柄間で仕掛けた場合、市場リスク(β値)を排除できない(ロング・ショートの意味があまりない)

 15.かなり株価の離れた銘柄間で仕掛けた場合、(株数を減らした)高株価銘柄の片張り売買と変わらない

ですが、上で取り上げた(株価差が2倍以上の)大平洋金属-小松リフト ペア
のケース以上に酷い(^^;)サンプルが後ろの方に載っています。

それは(P205-)同和鉱-北陸電力ペア。

売買譜ですが
 同和鉱業 北陸電力 サヤ
 700円 282円 418円 仕掛け
 634円 284円 350円 手仕舞い


場帳を見ると、記載部分での高値安値が・・・

 同和鉱業 高値698円、安値491円 変動幅207円(9.85倍)
 北陸電力 高値289円、安値268円 変動幅 21円

株価差2倍以上で、市場リスク(β値)を排除するなら北陸電力を2000株買わないとダメな場面ですが、
同株数の1000株仕掛けなので、高株価な同和鉱業の建て額の半分しかベータヘッジが出来ていません。(問題点14.)

更に問題なのは株価の変動幅(ボラティリティ)の違いで、
地味な電力株である北陸電力が場帳内で21円しか動いていないのに対し(これで「うねりがある」と言えるのかも疑問・・^^;)
同和鉱業は約10倍の(!)207円も変動しており、
同和鉱業を1000株空売りしただけでも(北陸電力の動きが無さすぎて)内容はほぼ変わらないという・・。


同和鉱業売り-北陸電力買いと、仮に同和鉱業を1000株空売りしただけのケースを見てみると・・・

 同和売り 北陸買い サヤ
 700円 282円 418円 仕掛け
 634円 284円 350円 手仕舞い
 +66円 + 2円 +68円*1000株=+68000円−コスト

 同和鉱業 を1000株空売りのみ
 700円 仕掛け
 634円 手仕舞い
 +66円 *1000株=+66000円−コスト(サヤの半分)

手仕舞い結果を見ると北陸電力の売買コストが約1万円掛かっているようなので、
動きのない北陸電力を売るぐらいなら、
同和鉱業1000株売りだけでも良かった
ように思います。


まぁ、Windows95(色々計算できるExcelがお手軽に使えない)さえ登場していない時代に書かれた本なので、
(ちなみに個人的に高評価な彦谷氏の本は初版が1991年で、本書の1994年より古かったりするんですが・・^^;)
市場リスクに関してもどんぶり勘定(そもそもそんな事は考えていない?)でもしょうがないのかと思います・・・。(^_^;






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posted by さやぷろくん(Ver3.00:2013年2月16日現在) at 15:53 | Comment(0) | 私とサヤ取り
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